2014年3月6日木曜日

感想と分析 総集編part1

今年に入ってからほぼ毎週大会があって、嬉しいけど記事が追いつきませんねwというわけでここ最近感想を書き損ねた試合の寸評をざっとまとめてあります。以下は個人的な意見ですので参考程度にどうぞ。

Benson Henderson vs Josh Thomson

画像はUFC® Fight Night Machida vs Mousasi Event Gallery | UFC ® - MediaFOX UFC® Saturday Henderson vs Thomson Event Gallery | UFC ® - Mediaより

UFC on FOX10
ライト級5分5R
WIN ベンソン・ヘンダーソン vs ジョシュ・トムソン
(スプリット・デシジョンによる判定勝利)

Benson Henderson vs Josh Thomson

安全運転?スムースに抱く不満と不安

退屈、とまでは言わないがどこか煮え切らない試合だった。ひたすらにディフェンシブな試合展開を続けるスムースと、手を怪我したらしく打撃、特にパンチがまったく出ずに攻めが単調になったトムソンは、結局フィニッシュの気配がないままに試合終了のブザーを聞くこととなった。

メディアなどで判定にいろいろ不満も出たが、私は判定自体に不満はない。パンチもさることながら、蹴りもあまり出なかったトムソンが圧倒的に手数不足だったからだ。

手の怪我が無く、トムソンがスタンド、グラウンドでもっと手を出していけば十二分に勝てた試合だろう。クリンチからの投げは圧巻だった。TDというよりも、KOを狙った叩き付けるようなスラムには古代レスリングの香りがあった。

Benson Henderson vs Josh Thomson

ただトムソンは怪我をしてたにしても打撃が少なすぎた。蹴りももっと出せたはずだ。だがひたすらに組んでは有利なポジションを取ろうとするばかり、さらにそこからパウンドなどを打たないためにあまりポイントを稼ぐことは出来なかった。サブミッションを狙うものの、入る形までいっていないので恐らくサブミッション・アテンプトにはカウントされていないだろう。手の怪我だというのならば肘という選択肢もあったはずだ。みすみす勝てる試合を落としたあたりが、ある意味ではトムソンらしいともいえる。

一方のスムースはひたすらに距離を維持して蹴り、クリンチをして押し込んでは踵や膝を器用に使って削っていった。こういった打撃が判定では大きく影響する。ポイント稼ぎといえばそれまでだが、小賢しかろうと勝つのであればこういうものが重要になることは知っておく必要があるだろう。

スタンドでは相変わらずパンチがそこまで巧いとは思わないものの、怪我の影響かトムソンがまったく手を出してこないのでスムースはパンチにおいて優位だった。この手数差も判定には大きく影響しているだろう。ただ途中はなったボディ・ショットはかなり痛烈であり、トムソンの動きを鈍らせるのには十分だったように思う。

Benson Henderson vs Josh Thomson

試合後にスムースは一切悪びれる風もなかったが、これではタイトル挑戦はそうそう回ってこないだろう。またすぐに回ってきたとしても、恐らくペティスにはまた敗れるように思う。確かにスムースは試合での勝ち方は知っているかもしれない、だが挑戦権獲得の方法までは理解していないようだ。スプリットの判定を繰り返す限り、いつかはその判定で敗れることになるだろう。

トムソンにバックを取られ、余裕をアピールするために髪をかき上げる仕草を見せた時には、バリカンを持ち込んで丸坊主にしてやりたい衝動に駆られた。きっとケージの脇で観戦していたデイナ・ホワイトも同じ気持ちだっただろう。髪を振り乱してダウン上等で突っ込んでいた時にはとてもかっこよく思っていたが、どうも最近のスムースはいけ好かないナルシストぶりが目立っている気がする。彼の右肩に刻まれたハングルの意味を、彼には今一度思い出してほしいと願ってやまない。

惜しくも敗れたトムソンは試合後に引退を仄めかした。大一番で早々に負傷し、実力を出し切れなかった悔いが彼の胸を塞いでしまったのかもしれない。運命の女神は、トムソンに永遠の二番手という立場を与えたがっているようだ。端正な顔立ちのトムソンが涙をこらえる様は、確かに心動かされるものがあった。きっと運命の女神はサディストなのだろう。ひどい奴だ。

トムソンは年齢も36歳とかなり高齢であり、ここで勝てる試合を落としたのは痛恨だった。一応その後に復帰する気になったようだが、できれば早く次の試合をやってタイトル戦線に戻りたいところだ。肉体的にはまだ十分やれそうだが、それでも決してのんびりしていられる状況ではない。

Benson Henderson vs Josh Thomson

ヘビー級5分3R
WIN スティペ・ミオシッチ vs ガブリエル・ゴンザガ
(ユナニマス・デシジョンによる判定勝利)

物騒な男、ゴンザガをミオシッチはフィニッシュできず

Stipe Miocic vs Gabriel Gonzaga

「一発当ててぶっ倒せばいいんだろ?」と言わんばかりの、柔術家とは思えないスタイルで迫るゴンザガに序盤ひやりとする場面が続いたミオシッチだが、中盤以降ダメージとスタミナ切れ、そして怪我の影響で失速したゴンザガを削り続けて勝利した。

ゴンザガはミオシッチが間合いに入るやオーバーハンドなどを強振していったが、これはいい作戦だった。ミオシッチには何度かあわやというシーンが見られ、実際にKOしていてもおかしくはなかっただろう。

Stipe Miocic vs Gabriel Gonzaga

対するミオシッチはバックボーンの一つであるボクシングを活かし、直線系の打撃を丁寧に当てて着実に有効打を重ねていった。後半はほぼ一方的であり、トータルでの有効打数はトリプルスコアとなっている。

だがミオシッチはそれだけ当てていながらフィニッシュできなかった。相手に一発があるから警戒したのか、スタミナが切れたのかはわからない。だがネルソン戦同様、ここぞというところでもう一歩踏み出さないほうがより危険なように思う。ミオシッチは後半失速することが多く、足が止まってからのディフェンスはあまりいいとは言えない。また打たれ強いわけでもないので、ここできちんと仕留められるようにならない限りトップを目指すのは厳しそうだ。

Stipe Miocic vs Gabriel Gonzaga

またボクシング経験者でありながら足をあまり使わず、打撃の距離が近すぎる気がする。乱暴に一発振りぬかれたら当たって倒れそうな気配が漂っているのが気がかりだ。ミオシッチは綺麗に戦いすぎており、乱戦に弱そうな印象は拭えない。レスリングも経験しているが、相変わらずそれが打撃と巧く連携していないとも思う。器用そうに見えながら、そのあたりの不器用さ、MMAへの適応の鈍さが彼の足を引っ張り続けている。

対するゴンザガは、ファンタジーに出てくるオークそのものの風貌と相まって、相変わらず一撃の期待感が漂っていた。油断をすると「痛恨の一撃」を食らってしまいそうだ。なんでもいいからぶったおせばいいと言わんばかりのそのスタイルは嫌いではない。さすが、ミルコ・クロコップを空気を読まずにハイキックで倒しただけのことはあるだろう。

Stipe Miocic vs Gabriel Gonzaga

だが、途中から大失速を見せ、顔面をさんざんに打たれて終盤はほぼサンドバッグだった。試合後に彼がネットにアップした写真では、彼の膨れ上がった左手が写っており、どうも試合中に手を怪我してしまったらしい。その不運もあって、ゴンザガは圧倒的大差で敗れることとなった。

年齢的にも肉体的にもトップを目指せる人材ではないが、常に一発の期待感があるゴンザガは、階級を賑わし若手を査定する中堅選手としての需要は高い。これからも様々な選手と当てることで、各選手の実力を明らかにする優秀な物差しでありつづけるだろう。次戦はジョシュ・バーネットあたりと当てても面白いかもしれない。それにしてもボロッボロの服を着せ、棍棒を持たせたい風貌だといつも思う。

ライト級5分3R
WIN ドナルド・セラーニ vs アドリアーノ・マルティンス
(右ハイキックによるKO)

Donald Cerrone vs Adriano Martins

宵越しの銭は持たない男、カウボーイ・セラーニ背水の一撃!

右パンチフェイントからの、被せるような右ハイキック一撃でドナルド・セラーニが鮮やかなKO勝利をものにした。

予想以上にパンチの巧いアドリアーノに、これはセラーニのダウンもありそうだとみていた最中、セラーニが右のパンチを打ち、その手を置いたままアドリアーノの見えない角度から右ハイキックを叩き込んだ。アドリアーノの首がひしゃげたかと思うと、そのまま彼はマットに沈んだ。これで立てる人間はまずいないだろう。あまりの当たりにアドリアーノの命すら危ぶまれるところだった。

Donald Cerrone vs Adriano Martins

この試合の直前、貯金がゼロであることを明かし、「金のため方がわからねえんだ!」とセラーニが語ったことが報道された。数々のボーナスを獲得し、結構な額をもらっていたはずのセラーニがまさかの無一文というニュースは衝撃だった。彼はどうも病的な浪費癖を持つ、刹那的な生き方しかできない人種らしい。この試合ではここ数戦見られた浮ついた調子もなく、非常に落ち着いた試合運びをしていたが、金銭的に追い込まれたセラーニが腹を括ったおかげかもしれない。

お金が無いので今年は6試合くらいしたいと語るセラーニだが、彼は若干ドランカー気味の症状も目立つためにどこか不安を感じる。アメフトの選手も、引退後の自己破産率が異常に高いことで有名であり、脳へのダメージと関係があるのではと疑われていたように記憶している。彼のドランカー症状と無縁ではないようにも思うのだが・・・。心配ではあるが、いいキャラなので是非とも年6試合を頑張ってほしいと思う。

Donald Cerrone vs Adriano Martins

UFC Fight night マチダ vs ムサシ
ウェルター級5分3R
WIN エリック・シウバ vs 佐藤豪則
(ミドルキック→パウンドによるKO)

明らかな手合い違い、評価不可能の格差マッチ

JARAGUA DO SUL, BRAZIL - FEBRUARY 15:  (R-L) Erick Silva punches Takenori Sato in their welterweight fight during the UFC Fight Night event at Arena Jaragua on February 15, 2014 in Jaragua do Sul, Santa Catarina, Brazil. (Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

組んだ奴が悪いとしか言いようがない試合だった。何故佐藤選手がメインだったのだろうか。試合前のオッズ8倍はそれでも低いくらいだっただろう。立ち会った直後に打撃レベルに差があることが判明していたように思う。早々にシウバが放ったミドルが渇いた音を立てて佐藤の脇腹にめり込むと、佐藤は体をくの字に折り曲げて動きを止めた。直後苦し紛れにシングルに逃げた佐藤だったが、シウバは飛び跳ねながら佐藤の頭を踵で蹴り、さらにはパウンドで殴り続けてあっさりKOを奪ってしまった。踵での蹴りは間違いなく反則だが、あまりにもトリッキーなために見逃されたようだ。

ここ数年、日本人選手のこういう負け方をうんざりするほど見てきたような気がする。同じ気配はストラッサー起一選手にも感じている。日本のMMAでは打撃の優先度が低いのか、練習方法が悪いのかはわからないが、どうにも海外勢とはスタンドでの差が大きいように思う。グラップリング偏重なのもあるだろうか?日本人選手で、海外の舞台でもきちんと相手の打撃を見て戦えているのは水垣選手くらいではないだろうか。オフェンスよりも、打撃のディフェンス面での甘さが特に目立つように感じている。目の良さ、というべきだろうか。相手の打撃を見てきちんとディフェンスすることに重点を置いた練習方法が確立されるだけでも、日本人選手の勝率は飛躍的に上がるように思う。日本人選手は立った状態での組みに秀でていることが多いので、それを活かすためにも必要な技術だろうと思っている。

11 件のコメント:

  1. 初めまして。大変面白く見させていただいております。私事で申し訳ございませんが菊野についての主様の見解をぜひお聞かせいただけないでしょうか?

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    1. こないだのマカオ大会を見た限りの見解でもいいでしょうか?

      そうですね、面白いスタイルとキャラだとは思いますが、ちょっとアピールに重点が置かれすぎてる気がしますwご本人様は気を悪くされるかもしれませんが、ファッション的な印象が強いです。

      ただ、試合を見る限り相手の打撃に全く動じる様子が無いこと、落ち着いてよく見ていたのは非常に高評価です。あのミステリアスなスタイルも、結構いいプレッシャーになっていました。観客受けはものすごい良かったですねw

      ただガードが低すぎるのと、顎があがってるのが気になります。そこまで目がいいとも感じませんので、パンチが巧い相手だとダウンを取られそうです。リョートや堀口のように、伝統派の軽快なフットワークを使って遠いところから飛び込むスタイルならガードを下げているのは理に適っていますが、あの距離の近さでやるならちょっと怖いですね。

      スタンドでのミドルキックなどはさすがでしたし、仕掛けるタイミングも優れていると感じました。かなりのリーチ差がありながら、かなり優位に戦えていたと思います。ただ全体的に手数が少ないので、もう少し手数を出した方がいいように思います。

      またTDディフェンスはこの試合ではよく機能しており、悉く切って上を取っていましたが、そこから相手のディフェンスもあり攻めあぐねているのが気になりました。鉄槌などはいい攻撃でしたが、もっと削る手段が欲しいですね。

      決して悪くはないけれど、課題は多そうだなという印象です。あくまでプレリミの試合のみの感想ですので、次の試合でちゃんとした評価が定まりそうです。古流武術など、まだ世間に対策なりを知られていない技術を発掘しようという着眼点はかなりいいと思いますが、それをどこまでMMAに応用して勝利に繋げられるのか、それがあのスタイルがただのポーズか、それとも本物なのかを決めることになりそうです。

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    2. 返信ありがとうございます。大変的確なご意見誠にありがとうございます。次戦に期待したいと思います。

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  2. 僕もミオシッチには不完全燃焼な印象を受けました。
    ゴンザガの一発狙いのフックを何度ももらっていたのも目に付きましたね。
    と思っていたところにサントス戦が決まったので、これは実力的にも相性的にもミオシッチにとって物凄く大きな試練だと思います。
    僕の予想はサントスのKO勝ちですが、
    アップセットか、もしくは一太刀期待以上のものを見せてくれたら、一気にトップグループに浮上しそうです。
    レスリングとボクシングがしっかりできるミオシッチが覚醒したらヘビー級さらに面白くなると思うので楽しみです!

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    1. ディフェンスがいいかと思いきや、変な所で一発を貰ってたのが気になりましたね。あと近い距離で足を止めるのも心配です。

      サントス戦が決まりましたが、これはミオシッチには大チャンスです。勝てばタイトル挑戦は確定でしょう。ただ!私もサントスのKO勝ちだと思います。ミオシッチに蹴りやタックルがあれば別ですが、現状サントスの脅威になるほどのものはなさそうです。ヴェラスケス戦でのダメージの悪影響がなければ、順当にいけばサントスがパンチで打ち勝つでしょう。

      しかしあっさりとKO負けでは、これからもヘビーはヴェラスケスとサントスのラブラブ血まみれデートが続くだけですwなので何としても食らいついてほしいですね。勝てば大番狂わせどころではありません。ミオシッチがもっと打撃と組みを連携させれば、まだまだ伸びる余地はあると思っています。

      何よりも、久しぶりにサントスがヴェラスケス以外の強豪と戦うのが一番楽しみです。

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  3. ダナハー2014/03/07 22:22

    お久しぶりです。最近のUFCは本当に大会ラッシュで、とても全試合は追いきれないですね。今年も9月に日本大会が開かれる事になりましたし、より世界的に発展していけば良いのですが。

    それはそうと、先日ネバダ州のアスレチック・コミッションがテストステロン補充療法の禁止を発表し、カリフォルニア州のコミッションもそれに追随する形を取りました。以前エディさんは、黎明期の選手が引退する頃合いを待って全面禁止にすれば良いのではないかと仰っていましたが、予想以上に早くその時が訪れましたね。ビトーを始め、幾人かの選手にはかなりの荒療治になりましたが、スポーツとしての健全な発展には必須な事なので歓迎したいです。

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    1. お久しぶりです。今年はUFCにとって勝負の年になりそうですね。世界にMMAを定着させられるかどうかの、大きな賭けになりそうです。

      その流れを受けて、ネバダ州がTRTを全面禁止ということになりました。遠からず他の州も追随することになるでしょう。

      私の予想としては、完全禁止はあと2年後くらいかなと思っていたのですが、ほんと予想以上に早かったです。まさかビトーがタイトルマッチを予定されている最中に決定するとは思いませんでした。もちろん州の決定にUFCは関与できませんので、どうしようもないことではあったと思います。自分は感想記事でビトーさんの存在を忘れてリョートvsワイドマンを煽ってしまい、どうしようと思っていたところにこのニュースだったので大歓迎でしたw今のビトーがワイドマンに勝ってしまっても、後にしこりを残すことになりそうでしたのでちょうどいいでしょう。

      ちょうど久しぶりに全訳記事をあげて、そこで自分の見解を述べようかなあと思っていたところでした。急速に発展を遂げるMMAにとって、もはや合法ドーピングのようなものは看過できない問題だったのでしょう。ギャンブルの対象にもなっています。さらには他のスポーツと違って殴り合いの競技です。相手を傷つけるスポーツにおけるドーピングは、以前も述べましたが武器の所持と大差ないものです。これを容認して世界展開は、まず受け入れられないものだったのでしょう。ようやくプロレスと完全な差別化が図れるかもしれませんね。

      この流れならば、遠からず検査の厳格化もあり得るかもしれません。それだけアメリカでは、MMAがそれなりの市場規模になりつつあるのでしょう。実際私もUFCには結構お金落としてますしw

      もっとも、今TRT禁止でもろに被害を受けたのはビトーだけで、ミア、ソネン、ダンヘンなどはもう半分リタイア状態なので大した影響ではないでしょう。ビッグフットはちょっと気の毒ですが、やはり脳の損傷であればスポーツに出るべきではないのかもしれません。病人なわけですしね。

      案外MMAへのダメージは少ないのかもしれず、スポーツとしての健全な発展と世界展開のためにはベストタイミングだったのかな、と今では思っています。こっちもそのほうが気持ちよく応援できますしねwビトーのKOを見るたびになんかもやっとしましたしww

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  4. 水垣選手はもっと評価されていいですよね。UFCファイトパスでトーレス戦を見れるので、もし見てない人がいるのなら一度見てほしいくらいです。当時見てもすごかったですが、その階級の最高峰の舞台及び絶対王者に挑戦した試合として考えると、いまだからこそ改めて感じるすごさもあります。

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    1. ガッキーは過小評価されすぎですよね。あのキレのあるパンチだけでも相当な価値があります。日本人でああいう打撃戦できる人ってほとんどいませんでしたからね。フットワークも素晴らしいです。

      なので日本の格闘技メディアは、もっと水垣選手をバンバン取り上げてほしいです。それこそ毎号雑誌の表紙にしたっていいはずです。こういうところでメディアが人気を盛り上げないからダメなんだと思います。すでにネームバリューのある選手ばっかり取り上げたってしょうがないでしょうにねえ。

      なので当ブログは水垣選手を熱烈に応援しておりますw

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  5.  ちなみにあの時の水垣選手は初海外で初5ラウンドで1ポイント差まで食い下がったんですよね。どうみても怪物です。ケツアゴ兄貴もガップリ組んでもテイクダウンできませんでしたし。「引き落としてバックチョークを決めました」

     流石キャリア初期に指導に来た五味と打撃スパーを普通にこなした伝説をもつだけありますな。

     それにしてもなんで彼は世界最高の舞台で(WEC含む)これだけ勝てるのでしょうか?打撃はずっと同じ先生にならっていて寝技や総合スパーは出稽古のみ。海外練習も数えるほど。彼より環境のいい選手は山ほどいて、日本での実績で彼と同等かそれ以上の選手の大半がUFCに跳ね返されました。
     まさか、学歴のせいですか!?

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    1. >>キャリア初期に五味と打撃スパーを普通にこなした
      そうなんですか!?うーん、やはり素質は抜群だったんですね。

      学歴のせい、というと少し語弊がありますが、やはり学力は結構大きいと思います。必ずしも確実ではないですが、それでも学歴はある程度の頭脳の指標にはなるでしょう。

      ガッキーが成功しているのは先見性、学習力、分析力、そしてその堅実さです。その場だけの判断ではなく、きちんと先を見て行動しているのが成功の秘訣でしょう。たとえば日本の格闘技ブームが下火になる中で、彼はきちんとと体重分けされた、よりスポーツとしてしっかりした舞台を求めて単身WECに乗り込んでいます。こういう場の選択というのも彼の知性の証左です。

      ファイトスタイルに関しても、ちゃんと今の最先端を見て、どういう奴がどういう戦い方で勝っているのかをよく分析していると感じます。フットワークの重要性、素早い出入り、ボクシング技術、フィジカルの充実などを、一つ一つ考えて練り上げているように見えます。ボディ打ちが脚光を浴びてからもすぐにコンビネーションに取り入れていましたし、試合でも有効に機能しています。

      つまりはこれは分析力と学習能力の高さであり、それが頭の良さということです。結構大事なのかなと思うのが、他人の試合を見ていいところ悪いところをバラバラに分解し、その中でいいパーツを取り入れる、つまり「模倣する」才能です。これがどのジャンルでもかなり優先度が高いものだと思っています。

      ただ肉体的な制約などにより、すぐに身に付く人もいればそうでない人もいるでしょうし、人によって出来ること出来ない事があるでしょう。ガッキーはそれにマイペースで取り組んで、試合ごとに確実に良くなっています。特に最近はフィジカルがすごい充実していますね。

      私はそういう理知的な選手が好きです。何よりも水垣選手の魅力的なところが、格闘技をスポーツとして本当に好きなんだなと感じる点です。楽しく全力でスポーツに取り組んでいる彼の姿勢が、私にはとても眩しく映ります。

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